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「電波」で物を見るー「ミリ波レーダ」による物体検知を体験しようー
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「ミリ波」という言葉はご存知でしょうか.高校物理の教科書に出てきますが,電波(電磁波)の一種類で波長がミリ単位(1~10 mm)というだけで,高校生の皆さんはあまりご存知ないかもしれません. では「ミリ波レーダ」はどうでしょうか.自動車に興味がある学生であれば知っているかもしれません.自動車の衝突回避やクルーズコントロール(車両追従)の支援技術として近年実用化されています. また2019年10月スマートフォンでは初めてGoogleの「Pixel4」に実装されました.スマホに触れることなく手の動き(ジェスチャ)で操作をするためです.

ミリ波は光や赤外線に比べ物質の透過率が高く,建材や衣類等の他に,ちり,霧,雲,雨を透過する性質を利用して,悪環境での安全交通支援に利用されています. 波長が短いことから細かい反射を捉えることができるため,近年空港やイベント会場の保安検査場にて武器や爆発物の危険物検知用ボディスキャナとして開発が進められています.

また心拍や呼吸といった健康状態や行動の様子を非接触で見守る技術,心拍波形に個人の特徴があることから個人認証技術への応用など身近なところに応用される研究が進んでいます.しかしながら,防犯用ネットワークカメラの設置があらゆる場所に進んでいる一方,個人のプライバシーや肖像権の観点から規制への要求が強まってきています.

さらにCOVID-19(新型コロナウィルス)感染リスク軽減のため、非接触モニタリングへの期待が高まっています.
ミリ波は波長が短いためアンテナなど電気回路がミリサイズで小型化できることからセンサとして今後様々な用途での利活用が期待されます.

本講義では,これらのミリ波の特徴やミリ波レーダの仕組み,様々な応用技術を解説した後,私達の大学で研究開発を行なっているミリ波レーダによる 「自転車安全走行支援」や「心拍測定」について紹介します.また実際にミリ波レーダを用いて物体の測位や動きの検知を体験していただきます.

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バイタルサイン(心拍・呼吸等)モニタリング
複数人の室内行動モニタリング

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