研究系列紹介

コンピュータシミュレーションの高速化(大貫/岸本)

人間の目では直接見ることのできない電波を、われわれは日常生活のいたるところで使っています。携帯電話やゲーム機などはデータ転送に、地中探査レーダや電波望遠鏡などは対象物の認識に電波を利用している例です。これら電波を使った技術の開発では、シミュレーションによる可視化が重要な役割を担っています。

波動信号処理の分野においても、レーダシステムの開発、光デバイスの設計、回路のパッケージングなどに、シミュレーションを利用しています。コンピュータの発展に伴い、シミュレーション技術の高速化が現在盛んに研究され、工学のいたるところで活用されています。研究室においても、PS3やGPU、コンピュータクラスタなどを使うハード面からの高速化、今までにない新しいプログラミング方法を開発するソフト面からの高速化を行い、以前より数十倍から数百倍の高速化に成功しています。

高密度光直接記録システム

高密度光直接記録システム

コンピュータクラスタ

コンピュータクラスタ

光通信システムの数値シミュレーション(古川)

ディジタル通信網の基幹となる光通信システムでは、大容量の情報を高速に伝送する技術の研究が盛んに行われています。光通信システムの構成要素には、伝送媒体として用いる光ファイバ、光を制御する光素子、電気信号に変換された高速パルスを伝送する回路基板等があります。本研究室では、これらの構成要素を数値シミュレーションによって高速・高精度に解析する研究に取り組んでいます。

超大容量高速通信用光ファイバの研究 近年、インターネットなどの急速な普及により、通信容量の飛躍的な増大が見込まれ、エクサ(1018)ビット/秒の超大容量情報伝送を目指した新たな光ファイバの創出に関する研究が注目されています。現在、研究室では、大容量化を空間多重で実現する"マルチコアファイバ"や、モード多重で実現する"マルチモードファイバ"について、レーザー光の高出力化によるファイバ・フューズ現象に配慮した構造設計と伝送特性(漏話・曲げ・接続・パルス歪み)解析を進めています。

光・波動情報ディバイスの電磁界シミュレーション(山﨑/尾崎)

電磁界シミュレーションは現在、多くの分野で研究開発に利用(実験結果の検証や短時間での設計にフィードバック等)されています。とくにシミュレーション結果の可視化は、物理現象の理解、教育面での効果が期待されるため、これからの光・波動情報技術(光ファイバー通信、携帯電話、地中レーダ、フォトニック結晶、量子暗号等)に不可欠です。われわれの研究室では、光・波動情報ディバイス(フォトニック結晶のスイッチング作用や欠陥部へのエネルギー集中、メタマテリアルや混合媒質からの散乱・導波等)の設計システムの基礎構築と信頼性の高い電磁界シミュレーションの開発を目指しています。

電磁界シミュレーション技法は、研究室で独自に開発したもので、超小形の光 ディバイス(波長と同程度の周期構造;フォトニック結晶・メタマテリアル等)の解析には、フーリエ級数展開法 と均質多層分割法を、任意形状物体や分散性媒質からの散乱問題の解析には、アトム法と数値ラプラス逆変換法をそれぞれ併用して、シミュレーションを行っています。

ヒューマン・インタフェース(戸田)

ヒューマン・インタフェースとは、工学分野ではマン−マシン・インタフェースとも呼ばれ、人と周辺機械をつなげるハードウェア・ソフトウェアのことを意味します。本学電気工学科のヒューマン・インタフェース研究室では、我々の最も身近な電気機器としてスマートフォンやパソコンをインタフェースとしQOL(生活の質)向上につながる人と人を結ぶシステム作りに取り組んでいます。実社会で利用されるシステム作りを通して、音・画像信号処理技術、人工知能や自然言語処理技術、WEB、クラウド、サーバー、ネットワーク技術など様々な情報処理の実技術を習得し、また社会への情報発信を行っています。

最近の研究テーマ

  • 吸入療法支援クラウド型病薬連携システム「吸入カルテ」に関する研究開発(図1)
  • 吸入デバイスの吸引タイミングの計測・モニタリングに関する研究開発
  • 遠隔医療のための患部画像データベースシステムに関する研究開発
  • 在宅医療支援システムに関する研究開発
  • スマートフォンやPC利用者の瞬きモニタリングおよび瞬き促進システムに関する研究開発
  • Deep learning(深層学習)を用いた呼吸器疾患CT画像および呼吸音の診断支援に関する研究(図2)

図1:吸入カルテ利用の様子(提供:吸入療法アカデミー)

図1 吸入カルテ利用の様子

図2:6チャネルアレー呼吸音収集システム

図2 6チャネルアレー呼吸音収集システム

図3:片手入力用の特殊キーボード

図3 片手入力用の特殊キーボード