マルクス回路
衝撃電圧発生器の直列充電方式をマルクス回路という。この方式では、コンデンサの放電の際に各段の充電抵抗に加わる電圧がほぼ等しくなるので、充電抵抗は各直列ギャップの放電電圧に耐えられればよい。従って、抵抗の製作が容易であり、発生器の構造も簡単になるので、従来から多く採用されている。欠点としては、各段のコンデンサの充電率(充電の速さ)が不均等なこと、直列ギャップの火花連絡特性が悪いことである。しかし、これらについては充電特性の改善や火花連絡特性の改善など対策が講じられている。
マルクスの針端整流回路
針対平板電極の放電特性は左図のように極性効果が現れ、交流電圧に対して動作点を図中の斜線部分に取れば、正の半波だけ火花放電を生じて整流作用を行う。この整流方法の欠点は、電極の消耗が著しく針端が段々丸められて来ると動作が不安定になることである。マルクスの針端整流回路は2個の針ギャップを直列にし、逆電圧を平均に分担させる目的で、その中点b を高抵抗R で接地していることである。a 点が正の半周期にはN1, N2 が放電して、b、c点は共に電源電圧最大値となる。このときb 点に蓄えられた電荷は負の半周期にR を通じて放電する。


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