電界によって生じる屈折率の一次の変化である電気光学効果のカー効果現象においてニトロベンゼンが使用されている。計測においては高純度のものが要求されるが、精製の困難さを考慮すると一般に市販されているノーマルなニトロベンゼンの挙動を知り、計測上の実用的な使用範囲を検討することが必要となるため実験を行った。その結果、衝撃電圧の印加初期におけるノーマルなニトロベンゼンに密度の変化が起こり、レーザー光の散乱・カー効果現象の偏光解消等に影響が認められた。
実験装置とカー効果波形の一例
二次の電気光学効果であるポッケルス効果の素子として利用されているADPやKDPは半波長電圧が高く圧電係数や光弾性係数も大きいため、変調電圧信号を印加したときの逆圧電効果によって機械的共振振動が誘起し、これによる光弾性効果が電気光学効果の上に重畳し歪みの原因となる。この機械的振動の誘起条件やその抑制方法を知ることは光変調を行う際に重要であると同時に、結晶外部に加わった機械的負荷の要素を非接触で計測する素子への応用も考えられるため検討を行った。
実験装置とポッケルス効果の振動波形の一例